厚生労働省の中央最低賃金審議会は4日、2025年度の最低賃金の目安を全国の加重平均で時給1,118円にするとした。引上げ幅は63円、伸び率6.0%で過去最大。東京や大阪など6都府県のAランクと、北海道、広島、福岡など28道府県のBランクは63円、秋田や沖縄などCランク13県は64円とした。下位ランクの地域の引上げ額が上位ランクを上回るのは初めて。今後、各都道府県で改めて審議会を開き、実際の引上げ額を決定する。
厚生労働省は、労災申請の手続きをオンラインで完結できるようにする。現在もe-Govで電子申請が可能となっているが、診断書を紙でしか送れないケースがあるなど、利用が広がっていない。2026年度までにシステムを構築し、早ければ27年度にも一部の機能をスタートする。
政府は5日、トラック運転手の長時間労働抑制に向けた計画作成を2026年4月から義務化すると決めた。配送拠点で順番を待つ「荷待ち」や、荷物を積み降ろす「荷役」の時間を短縮し、負担軽減につなげる。扱う荷物の総重量が年間9万トン以上の荷主、保有トラック台数150台以上の運送業者、保管量70万トン以上の倉庫業者など、全国計3,000社超が対象。計画には予約システム導入など具体策を盛り込み、実施状況を国に定期報告することも義務となる。違反は是正勧告、命令の対象となるほか、最大100万円の罰金が科される。